2015年1月13日火曜日

返還請求訴訟⑥ 東京高等裁判所の判決文(抜粋)(5)


 
<解説>

これまでは納骨壇についての裁判所の判断を紹介しましたが、今回は永代供養契約について、幸福の科学側の主張に対する裁判所の判断を紹介します。

常識的に考えて、自分が死んだときには永代供養をお願いしますと、前もって供養料(100万円)を支払ったとしても、その後気持ちが変わってキャンセルしたら、まだ供養がなされていないわけですから、そのお金は返却されるのが当然だと思います。ところが幸福の科学はかたくなに、一切の返金を拒んできました。東京高等裁判所が一つひとつ幸福の科学側の主張に対して、法律論で批判してくれています。判決文の続きをご覧ください。

 
<判決文の抜粋>

(2) 本件永代供養契約にて

 ア 控訴人は、本件永代供養契約は、永代供養を受ける地位の確定的取得を目的とする無名契約であると主張する。

   しかし、本件永代供養契約を準委任契約と解すべきことは、引用した原判決の説示するとおりである。

   また、本件永代供養契約の締結により、被控訴人ら両名のような委託者には永代供養料の支払義務が発生し、受託者である控訴人には、委託者の死後、同人について永代供養をする義務が発生するが、それ以外に控訴人に何らかの義務が発生するとは認められないから、永代供養を受ける地位といっても、委託者の死後控訴人に永代供養義務が発生するという法律関係と同義であり、このことから解除権が排除されるとの控訴人の主張は採用することができない。

   また、被控訴人ら両名が、本件永代供養契約を締結した当時、死後、控訴人から永代供養を受けたいという強い意図があったことはそのとおりであるが、これは当時被控訴人ら両名と控訴人との間に信仰心に基づく信頼関係があったことを意味し、そのことが本件永代供養契約が準委任契約であることの妨げとなるものではない。

 イ 控訴人は、解約が認められるとしても、控訴人に債務不履行は一切ないのであるから、既払金の返還請求は認められないとも主張するが、本件永代供養契約の解除は民法6511項による解除であって、債務不履行の有無はこれを左右しない

   また、同解除には遡及効はない(民法620条、652条、656条)ものの、控訴人の永代供養をする債務は未だ始期が到来しておらず、控訴人が永代供養の債務を履行済みであるとは認められない。そして、本件永代供養契約において、その解除によって一切返金をしないとの合意があったとは認められないから、控訴人が永代供養をする債務を履行していない以上、同契約の解除により、控訴人は被控訴人ら両名に対し永代供養の対価である永代供養料を返還する義務がある

 ウ 控訴人は、死後に当事者間の信頼関係が継続するとは考えられないとか、準委任契約とすると委任者の死亡により契約が終了する点で背理であるなどとも主張するが、本件永代供養契約は、委任者の死亡後における永代供養の実施を目的とするものであり、合意に基づくこのような内容の準委任契約が許されないとの理由はない

   また、控訴人は本件永代供養契約がいずれも契約締結後10年以上が経過しており、その後に控訴人に返金を強いるのは不当であるとも主張するが、将来的に長期にわたって継続する契約であることは当事者間の共通の認識であったといえる上、控訴人〔*幸福の科学〕は未だ本件永代供養契約に基づく義務を全く履行しておらず、永代供養料は返還しない旨の合意もないのであるから、控訴人の主張は採用することができない

   さらに、控訴人は、宗教界において永代供養契約による前払金の返還請求ができないことは当然の事柄があるとも主張するが、本件全証拠によるも、当事者間に前払金を返還しないとの合意がない場合において、一切の返還請求ができないことが当然の事柄であるとの合意がない場合においても、一切の返還請求ができないことが当然の事柄であると認めることはできない

 
<解説>

要するに、生前申込みの永代供養契約は、「準委任契約」であるから、委任者が自由に解約することができる。しかも、幸福の科学がまだ委任者の永代供養をしていないのであるから、「永代供養の対価である永代供養料を返還する義務がある」と明快な判断が下されました。

信者の方の中には生前に永代供養を申し込んだものの、それを解約してお金を返してほしいと思っている方がいらっしゃると思います。今回の判決は、そうした方に大いなる朗報となる判決でした。

 

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