2015年1月10日土曜日

返還請求訴訟③ 東京高等裁判所の判決文(抜粋)(2)



 
 
<判決文の抜粋>

第3 当裁判所の判断

1 当裁判所〔*東京高等裁判所〕も、被控訴人〔*元信者〕らの本件納骨壇使用契約の解除及び被控訴人ら両名の本件永代供養〔*生前申込の永代供養〕契約の解除により、原審〔*東京地裁〕と同額の不当利益返還請求を認容すべきであり(ただし、本件納骨壇使用契約の解除の効力発生日は平成25219日と判断する。)〔*これは第一審よりも元信者に3か月の利息分有利な判決です〕

その理由は、次のとおり訂正し、後記2に控訴人〔*幸福の科学〕の当審における主張に対する判断を、(中略)付加するほかは、原判決の「第3 当裁判所の判断」1ないし8記載のとおりであるから、これを引用する。
 

(1)171行目から17行目の「(2)」までを次のとおり改める。

「6 争点5(本件納骨壇使用契約の解除又は解約の成否)について

(1)墓地、埋葬等に関する法律2条6項は、「この法律で『納骨壇』とは、   他人の委託を受けて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の認可を受けた施設をいう。」と規定し、また、同法142項は、「納骨堂の管理者は、第8条の規定による火葬許可証を受理した後でなければ、焼骨を収蔵してはならない。」と規定するところ、控訴人〔*幸福の科学〕は、本件納骨堂の利用者に対して埋火葬許可証の取得及び提出を求め、また、他所に埋蔵又は収蔵されていた焼骨を本件納骨堂に収蔵するに当たっては会葬許可証を求めているから、本件納骨堂は、同法26項所定の納骨堂として県知事の許可を受けているものと推認でき、控訴人は、他人の委託を受けて焼骨を収蔵する施設である本件納骨堂を管理しているものと認められる。

  なお、同法24項は、「この法律で『墳墓』とは、死体を埋葬し、又は焼骨を埋蔵する施設をいう。」と規定しているところ、「埋蔵」とは地中又は地下に収めることをいい、「収蔵」とは焼骨を収める埋葬以外のすべての方法をいうものと解され、本件納骨堂は、焼骨を「収蔵」する施設であって「埋蔵」する施設とはいえないから、同法上、「墳墓」や墓地とは異なるものである

 
(2)本件納骨壇使用契約によって、当事者間にどのような権利義務が発生するかについて検討すると、次のとおりとなる。

 ア 控訴人が所有管理する納骨壇を利用するために控訴人と納骨壇使用契約を締結した者(以下「利用者」という)は、特定の納骨壇について、その位置に応じて控訴人が定めた申込金を支払うことで、先祖や家族の焼骨のほか、将来的には自らの死後の自己の焼骨が当該納骨壇に収蔵されることが確保される。なお、後に別途追加の金員を支払ってより本尊に近い場所に位置する納骨壇に変更すること(シフトアップ)も認められている。

 イ 利用者には、控訴人から「来世幸福園入園証」及び「来世幸福園法要帳」が公布され、利用者に相続が開始されたときはこれらが承継人に引き継がれ、控訴人は、以後、承継人のために当該納骨壇において焼骨の収蔵を継承する。

 ウ 納骨壇は通常は施錠されており、その鍵は、本件納骨堂の管理者が保管し、利用者の依頼に応じて、利用者及びその家族に限り、貸し出される

 エ 利用者は、納骨壇や本件納骨堂の施設の維持管理のための経費として、納骨開始後、納骨壇1壇当たり年額1万円の「納骨堂護持奉納」を毎年前納又は10年分前納の方法で納付する義務を負う。なお平成20年以降に契約を締結した利用者は納骨前であっても同金額の納付義務を負う。

   平成20314日以降は、「納骨堂永代護持奉納制度」が新設され、利用者は、年額1万円の毎年前納又は10年分前納の方法に代えて、100万円を前納することができる。

 オ 特定の納骨壇における焼骨の収蔵が継続される期間については、長期間にわたり継続する旨の合意があることについて当事者間に争いはないが、確定した期間の定めがあるとの証拠はない

   納骨堂永代護持奉納制度に関する申込書には、同制度を利用して100万円を前納した場合には、利用者に承継人がいなくなっても、本件納骨堂の建て替えまでは当該納骨壇での焼骨の収蔵が継続されるとの説明がある

   また、本件納骨堂の耐久年数が経過して建て替えをすることとなった場合において、利用者に承継人がいなくなったときには、焼骨の収蔵は建て替えられた納骨堂と共に建立される合祀施設において行われることが予定されている。

   利用者が控訴人の納骨壇の利用開始前に利用を希望しなくなった場合の取り扱いについては、明示の合意はない

 
  (3) 以上によれば、本件納骨壇使用契約は、利用者において、控訴人に対し、控訴人が設置し、所有管理する県知事の許可を得た本件納骨堂中に設置された特定の納骨壇において焼骨の収蔵という事実行為を委託することを中核とする有償の準委任契約類似の無名契約であると認めるのが相当である。

   その存続期間については、期間の定めはないが、控訴人〔*幸福の科学〕と被控訴人〔*元信者〕らとは長期間にわたり特定の納骨壇で焼骨を収蔵することを予定していた。

 
<解説>

以上の部分は法律論なので難解ですが、要は幸福の科学側の主張をことごとく否定しているのです。一番のポイントは、幸福の科学が納骨壇使用契約は「本件納骨壇使用権の設定契約であり、その本質は、本件納骨壇使用権の売買である」とした主張を退けて「特定の納骨壇において焼骨の収蔵という事実行為を委託することを中核とする有償の準委任契約類似の無名契約である」と認定したことです。

実はこれは第一審の判決よりも幸福の科学に不利な内容です。

第一審の判決では本件納骨壇使用契約は、「期限の定めのない建物賃貸借契約の性質を中心としつつ準委任契約の性質を併せ有する混合契約である」と規定していました。建物賃貸借契約であれば、解約を通知してから3か月しないと契約解除の効力が発生しません。ところが準委任契約だと、解約の意思表示をした翌日から、契約解除の効力が発生するのです。それにより、第一審よりも遅延損害金が3か月分多く、元信者に支払われることになったのです。(次回に続く)




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